2019年に入る前までは、中国ではShadowsocks(中国語で影梭)プロトコルを使ったネット越境が盛んでした。
従来のVPN方式より通信速度も早く、中国の若者や駐在者の間でも広がりを見せていたのです。
ところが、2019年の3月から断続的に、6月の1日、2日あたりに至ってはほぼ全面的にShadowsocksを使った通信がブロックされる状況が続いていたようです。
かねてより、中国通信部はAIなどで特定の通信を判別する技術を開発中で、Shadowsocksプロトコルが特定され、ブロックされるのも時間の問題かと思われていましたが、ついに判別に成功したのでしょうか。
2019年3月~6月中旬には以下のような例が報告されています。
- 大手のShadowsocksプロバイダ、「UCSS」や「BlueSurface」のサービスもブロックされていた模様
- 個人でset upしていたShadowsocksサーバも24時間程度でブロックされた。
大手のサーバならまだしも、個人のサーバは、ネットワークの流量も少なく、機械的に見つける手段がないと判別は難しいと思われますので、Shadowsocksの判定に成功し、いよいよ本気になればいつでもブロックできる状態になったのかもしれません。
Shadowsocksサーバはもう使えないのか?
今回、Shadowsocksも規制の対象となったことで、もう使えなくなってしまうのか?と思う人もいるかもしれませんが、そこまで悲観する必要はないと思っています。
6月後半になって、「UCSS」や「BlueSurface」のShadowsocksは順次復旧し、接続可能な状態となっているようです。
中国政府も、完全に遮断するところまでは行わず、全人代の前後など統制を強めたい時期にきちんと遮断するという姿勢なのではないでしょうか。
そもそも、Shadowsocksは高速で通信を行うことができるので、日常的にYoutubeなどの動画を楽しむには、使い勝手の良い方式です。
そのため、
- いつもはShadowsocksを使ってGmailや動画などを楽しむ。
- 規制の強まっている時はVPN(IKEv2 方式は規制の対象でないことが多い)を使う。
といった使い方をするのが良いのではないかと思います。
中国のような「何が起こるか分からない」規制が行われる国では、複数の手段を用意しておくのがおススメです。