OracleODIを使った実際の開発では、rcuを使ったリポジトリ作成ではなく、手動でいくつかのリポジトリをセットアップして、開発や検証に利用することが多いですよね。
この記事では、OracleODIのマスタリポジトリと作業リポジトリを手動でセットアップする方法をご紹介します。
マスタリポジトリの作成
最初に、リポジトリ用のスキーマを作成し、さらに、このスキーマへの接続などの適切な権限を与えておきます。
create user ODI_REP identified by odi_rep default tablespace DEV_ODI_USER temporary tablespace DEV_ODI_TEMP; grant connect, resource to ODI_REP;
リポジトリ用スキーマを作成したら、次にそのスキーマにマスタリポジトリを作ります。作成にはODIのリポジトリ作成ウィザードを利用します。ODIを起動し、「ファイル」→「新規」から「新規ギャラリ」を開き、「新規マスターリポジトリを作成します」を選択します。
ウィザードのステップ1ではリポジトリへのデータベース接続を定義します。以下の情報を設定しましょう。
テクノロジ:Oracle
JDBCドライバ:oracle.jdbc.OracleDriver
JDBC URL:jdbc:oracle:thin:@localhost:1521:<DBインスタンス名>
ユーザー:リポジトリ用スキーマのユーザ
パスワード:リポジトリ用スキーマのユーザパスワード
DBAユーザー:DBA権限を持つユーザ
DBAパスワード:DBAユーザパスワード
リポジトリ構成のIDは、他と重ならないものを指定します。初めて作成した場合は「0」でOKです。
設定したら、「テスト接続」で、接続できることを確認しておきます。
次に、認証モードとそのパスワードの設定を行います。「ODI認証」で、管理者権限を持つ「SUPERVISOR」のパスワードを設定します。また、パスワード記憶域は「内部パスワード記憶域」で結構です。
上記まで設定して、「終了」ボタンを押せば、マスタリポジトリの作成が開始されます。しばらく待って、下記のように「マスタリポジトリは正常に作成されました」のダイアログが表示されればOKです。
作業リポジトリの作成
作業リポジトリ(ワークリポジトリ)は、最初にマスタリポジトリに接続して、そこで作成します。
最初に、上記で作成したマスタリポジトリに接続します。ODIの左側の「リポジトリへの接続」をクリックするとログイン用のダイアログが開きますので、緑の「+」ボタンを押して、接続を作成しましょう。
接続情報は以下のように入力します。下部の「作業リポジトリ」の部分は、この時点では作業リポジトリを作成していないので、「マスターリポジトリのみ」を選択しておきます。
接続すると、以下のようになります。左側に、「開発リポジトリに接続されていません」と表示されていますね。これから、作業(開発)リポジトリを作成していきます。
左ペインのタブで「トポリジ」を選択し、「リポジトリ」→「作業リポジトリ」を右クリックして、「新規作業リポジトリ」を選択します。その後、作業リポジトリを作成したいスキーマに対しての接続情報を入力します。今回は、マスタリポジトリと同じスキーマに作成することにします。
作業リポジトリのプロパティの設定は、以下のようにします。
ID:マスタリポジトリや他のリポジトリと重ならないID
名前:作業リポジトリ名です。分かり安ければ何でもOKです。
パスワード:作業リポジトリのパスワードです。空白でも構いません。
作業リポジトリタイプ:「開発」と「実行」がありますが、「実行」はリポジトリ情報をREADするだけになるので、「開発」を選択しておきましょう。
上記で「終了」ボタンを押すと、作業リポジトリの作成が開始されます。ログインを作成するか聞かれますが、特に作成の必要性はありませんので、「いいえ」を選んでかまいません。
これで、作業リポジトリも作成されました。一度、リポジトリへの接続を切って、再度ログインします。その時、リポジトリ接続を編集して、作業リポジトリの部分を設定しましょう。
お疲れ様でした。これで、手動でのリポジトリ作成が完了です。